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No.1612 ブログアクセス解析(71) 総閲覧数累計100万件を突破

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2008年3月22日にブログを開設、第1号記事を掲載してから丁度10年 が経ち、食糧危機、原油・穀物価格暴騰、米国発世界金融危機、資源と環境・エネルギー、東日本大震災(“3.11”)、TPP、アベノミクス、英国のEU離脱、米国大統領選などの激変する国際情勢を主たるテーマとする記事を書いてきたが、閲覧=アクセス累計総数は本年1月16日に99万件、3月16日に100万件を突破した。
開設からジャスト10年目(正確には1週間の差があるが)にして100万件を達成したのは正(まさ)に記念すべき現象で感無量である。平均すれば年10万件、ひと月に8千件、1日に276件のアクセスがあったことになる。
1万件突破に7カ月、2万件に5か月かかったが、3万件、4万件、5万件は各3カ月、6万件、7万件は2カ月、8万件、9万件は1.5カ月、10万、11万、12万件は1カ月、そして13万以降14万~32万、33万~46万件、53万件、54万件2週間程、このうち44万件は1週間とペースが加速度的に早くなった。そして最近の47~82万件は3週間程であったが、そのうち63、64万と75万件は2週間程であった。然しながら83万~100万件は各々突破に1ケ月以上かかった。13万件以降「記事数が増えるにつれ閲覧者の検索ワードも増え、アクセス回数が増え、複数記事を読む回数(ページレビュー数)も増えている。即ち、本ブログはデータバンク的な存在になってきた。」と解析してきたが、ここへ来て83万~98万件が各々突破に1ケ月以上かかったのは毎日のアクセス回数が300件に満たぬのが理由で、本ブログも8年半も続ければマンネリ化して読者に飽きられてきたのではと思うこの頃である。
実は筆者所属の大来財団(FO-JAC)もメンバー高齢化(筆者は78才)のため3月末を以て解散することとなった。よって、本ブログも本号を以て終了することとする。。

1.最後のアクセス解析により分析をしたら、下記の特徴が見られる。
閲覧(ページレビュー)が多いのはブログの主テーマである「世界食糧危機」、「原油・穀物価格暴騰と投機マネー」「資源と環境エネルギー」にかかるシリーズ記事で、「世界食糧危機シリーズ」や「資源争奪戦」シリーズは平均1日に400件以上であったが、官民新エネルギー構想、新たなる資源争奪戦、エネルギー政策見直しTPPと農業改革などを掲載して以来1日で500件以上となり、2013年11月23日は1,997件、24日は2,758件、26日は2,504件、そして27日は3,279件とブログ開設以来の最高レコードとなった。因みに、本年2月14日は久方振りに2,679件であった。

2012年5月2日付け記事305より本年月5月8日付け1366まで「新たなる資源価格変動1)~(168)」「官民新エネルギー構想」(1)~(148)「エネルギー政策見直し(1)~(226)をシリーズで連載、特に、再生エネルギー特別措置法案と天然ガス(特に新資源のシェールガス・オイル)、原油価格下落につきフォーカスしてきた。

2012年12月の安倍政権誕生以来、同政権のアベノミクス(我ら日本人)やTPPシリーズを連載、アクセス数が増えている。
本ブログでは従来政治について「アベノミクス」関連以外は突っ込んで取り上げてこなかったが、本年3月以降、米国大統領選の“トランプ旋風”、5月26日に日本で開催されたG7伊勢志摩サミット、6月23日の英国のEU離脱決定、7月12日の中国の南シナ海海洋進出に対する国際仲裁裁判所判決と中国の大反発など激変する国際情勢につき“特記”記事シリーズを掲載してきた。7月以降の掲載はアベノミクスに加え上記シリーズ記事が大半を占めているが、11月米国大統領選での共和党トランプ氏勝利により11月18日付け記事1539より同シリーズを「米国トランプ政権」と変えて続けることにした。
記事1539 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18

(1)2013年1月9日の記事642より本年9月26日付け記事1250まで「特記 我ら日本人」シリーズ(1)~(157)を掲載し安倍政権の経済政策「アベノミクス」をフィーチャーしてきたが、2015年10月11日付け1264から「特記 我ら日本人」を外し「安倍政権アベノミクス」シリーズとして再スタートし現在1526まで掲載している。因みに、記事642は閲覧累計975件に達している。
記事642 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2013-01-09
2013年5月13日付け下記記事728は閲覧累計623件に達した。
記事728 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2013-05-12 
記事1526 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-10-29

(2)2012年12月20日付け下記記事626「TPP攻めの開国(35)」は安倍政権誕生後の初の記事・写真の掲載であるためか、掲載後ほぼ1週間で閲覧累計が200件をオーバーし、現在1,145件に達した。
記事626http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-12-20
特筆すべきは昨年2月26日に掲載した記事910で掲載後1カ月を経たずしてアクセスが320件に達し、現在442件に達した。
記事910  http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2014-02-26 
そしてTPPは遂に本年10月5日に大筋合意に達し、10月6日付け記事1258に掲載した。
記事1258 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2015-10-06 142件
然しながら、11月の米国大統領選トランプ氏勝利により選挙公約のTPP離脱が表明、TPP漂流の事態に至った、同記事1544に掲載した。
記事1544 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23

(3)食糧危機の再高騰をテーマとした「食糧危機と日本と日本商社の活動」
シリーズの下記記事566、567もほぼ1カ月で閲覧累計が200件をオーバーしたが、現在844、960件に達している。
記事566 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-08-18
記事567 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-08-19
記事645は掲載後ほぼ1カ月で閲覧累計が200件をオーバーし、現在1,070件に達している。
記事645 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2013-01-17

(4)本ブログで集中的にフォーカスしている再生エネルギーと新たなる資源
シェールガス争奪戦については;
2012年7月に掲載した「シェール・ニューデール」に関する記事548ほぼ1カ月で閲覧累計が286件に達し、現在の累計は700件である。
記事548 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-07-16
同記事で触れた「オバマ政権のグリーン・ニューデール政策の行き詰まり」にかかる下記記事565も現在の累計が591件に達した。
記事565 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-08-12
 
(5)下記記事も閲覧数が増えている。
記事488 再生エネルギー メガソーラー 808件
http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-04-23
記事492~494 シェールガス 1,916件
http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-04-29-2
記事479 再生エネルギー 買い取り制度 577件
 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-04-10
記事569 再生エネルギー 買い取り制度 5,085件
http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2012-08-22 
特に、569は2012年11月に1日で1,000件を超えるアクセスが数回あり、So-netの2012年11月後編レポートでは一気に第1位に浮上した。

(6)2011年3月20日掲載の下記特記記事280「“3.11”と我ら日本人(1)」は今でもレビューがあり、現在までの累積では2,388件である。
記事280 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2011-03-20

(7)2009年6月14日掲載の食糧危機シリーズ記事102「食料危機と日本 その15 食料安定確保 ブラジルセラード開発と日本商社の活動(1)」は2,085件に達した。
記事102 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/archive/200906-1

2.11月後編So-netブログレポートによれば過去3カ月間でアクセス数の多い記事ベスト3は下記の通りバラバラであった。特に1位の記事No.216は2010年8月掲載のもので、何故今頃アクセスが集中したのか理解出来ない。
1位 No.216 資源と環境・エネルギー 食糧危機と日本 エコロジカル・フットプリント(2)
fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2010-8-31 累計 216件
2位 No.1528 “特記”  米国大統領選挙 その42
http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-11-03 累計 77件
3位 1511 環境・エネルギー 国際気候変動COP22へ向けて(新6)
http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-10-10 累計 81件
3.2009年3月より筆者のプロフィールを載せたところ、当然読者の中には「ブログアドレス“fojac”とはどこの団体の誰が書いているのか?」興味を持つ仁もあると見えて、開設当初に掲載した筆者所属の大来財団(記事7)と大来佐武郎先生との出会い(記事6)につき夫々1,385件、924件のアクセスがあった。
記事6:http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2008-03-30
記事7:http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/archive/200803-1
これにアクセスしてきた読者は、不特定多数でなく、明らかに意図的な読者である。
因みに、昨年11月3日に東京ホテルニューオータニにて「故大来佐武郎先生生誕10年記念フォーラム・レセプション」が開催され、300名以上の老若男女が参加して同氏を偲び、その功績を讃えた。

4.2009年12月9日の記事147「ブログ市場分析(9)記事総閲覧数40,000件突破」では下記述べていた。
結論として、約3年9カ月に亘り続けてみて自分なりに納得した効果は;
① 自分の備忘録。纏めていると筆者が属する財団の活動上のヒントが得られることがある。
② 親しい友人や仕事の関係先に関連新聞・雑誌特集記事や番組を紹介し、自分の関心事や考え方を知って貰う。
③ 日頃業務多忙で新聞・雑誌特集記事や関連TV番組をじっくり読む/見る/分析する時間の無い方々のために纏める。
で、つまるところは“自己満足”と言うこと。

2010年10月13日付け記事226「ブログ市場分析(9)記事総閲覧数9万件突破」で下記付け加えた。
上記③項の比重が日増しに高まり、本ブログがだんだんデータバンク的な存在になってきたことに気がつき、自己満足だけでなく他人の役にも立っている様だと思いつつあるこの頃である。

2011年の“3.11”以降日本の未曾有の危機に対処するための日本のあり方、総理のリーダーシップ、エネルギー政策、TPPと農業改革などにつき中南米を離れた記事が多くなったが、最近は安倍政権のアベノミクスやTPP大筋合意に加え英国のEU離脱、米国大統領選、トランプ次期大統領など激変する国際情勢に関する記事が増え、一層日経新聞の電子版に頼ることが増えた、反省をこめつつ改めて日経新聞に謝意を表したい。

上述の通り、本ブログは本号を以て終了とします。
皆様長期に亘りご愛読有難うございました。

No.1611 TPP攻めの開国(316)とRCEP(2)

RECEP交渉官会合(2月28日、神戸市).jpg」チリ、メキシコ外相(15日、チり).jpg
左は日経新聞2月28日付けより、RCEP交渉官会合での外務省の飯田経済局審議官(右)(27日、神戸市)、右は3月17日付けより、チリのムニョス外相(左)やメキシコのビデガライ外相(中)ら(15日、チリ中部ビニャデルマル)
TPPが昨2015年10月5日アトランタでの閣僚会合で遂に大筋合意に達し、本年1月25日付け1583まで「TPP攻めの開国(313)と「大筋合意シリーズ」1~48を、1月16日付け1574まで同「農業改革(新)シリーズ」1~34を掲載している。
前記事1580、1581では日経新聞1月30日の付け夕刊より「米、TPP“永久に離脱”  大統領令署名 発効は絶望的」と題する記事と25日付け朝刊より「“永久離脱” TPP決壊 トランプ氏が大統領令 政府、対米FTAに慎重」と題する解説、1582では1月30日付け日経新聞より「首脳会談へ駆け引き 首相、日米FTA排除せず  “TPP優先変えぬ”」と題する記事を掲載し筆者のコメントを述べた。
前記事1600では2月25日付け日経新聞より「ASEAN参加の経済連携 日本、途上国囲い込みへ 27日から交渉官会合」と題する記事が掲載されたので、シリーズ表題を「TPP攻めの開国とRCEP」と変え、RCEPは新たなシリーズ(1)として掲載を開始した。

日経新聞2月28日付けに「RCEP、自由貿易の先行き占う 交渉官会合が開幕」、3月17日付け日経新聞に「TPP“米抜き”に温度差 閣僚級会合 日本は慎重 豪は発効主張」と題する2記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
記事1:RCEP、自由貿易の先行き占う 交渉官会合が開幕
 日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の首席交渉官会合が27日、神戸市で開幕した。関税撤廃やサービス貿易など、残る13分野の自由化について話し合う。米国の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱など保護主義が強まる中、今後のアジア太平洋地域での自由貿易の行方も左右しそうだ。
 全16カ国から約700人の交渉官らが参加し、3月3日まで議論する。議長を務めるインドネシアのイマン商業省総局長は「相互に利益のある協定となることを期待している」とあいさつ。外務省の飯田圭哉経済局審議官も「世界に保護主義が見られるなか、自由貿易への関わりと地域での貿易環境ルールでリーダーシップを発揮する」と述べた。

記事2:TPP“米抜き”に温度差 閣僚級会合 日本は慎重 豪は発効主張(チリ中部ビニャデルマルより同紙宮本記者記)
環太平洋経済連携協定(TPP)の署名国は15日、1月の米国の離脱表明後初めてとなる閣僚級会合を南米チリで開き、自由貿易の推進で一致した。ただ、「米抜き」の将来像を巡っては各国間の温度差が浮き彫りになった。米以外の11カ国での早期発効を目指す国がある一方で、日本は慎重な姿勢を維持している。
 「地域統合に向けて前進を続けなければならない」。議長国チリのムニョス外相は会合後の記者会見で、TPP署名国が域内の貿易や投資の促進で一致したと強調した。
 米国の離脱で求心力低下が懸念される中で共同声明の発表にこぎ着け、5月にベトナムで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合の際に、閣僚会合を開くことでも合意した。ムニョス氏は「成果の多い会合だった」と誇った。
 会合では、今後の域内の自由貿易圏をどのように形成するかについて、主張の隔たりも目立った。オーストラリアやニュージーランドは「米国を除いた11カ国での発効を主張した」(交渉担当者)。両国は主力の畜産業で米国と競合しており、中南米やアジア向けに牛肉などの輸出を増やせれば、利点は多いためだ。
 一方、日本は「いまの時点で選択肢を絞り込むことなく、あらゆる選択肢を視野に考えていきたい」(内閣府の越智隆雄副大臣)と主張。越智氏は会見で「安倍首相がトランプ米大統領にTPPの意義を説明している」と述べ、米国がTPPに回帰することを期待しながら長期戦で臨みたい意向をにじませた。
 今回のTPP閣僚会合はチリが、メキシコ、ペルー、コロンビアと構成する経済共同体「太平洋同盟」の閣僚会合を機に開催を呼びかけた。TPP閣僚会合後に開いた拡大会合には中国、韓国などが加わり、計15カ国が参加して議論した。
 TPP署名国の間では中国を含む形での新たな協定を模索する声もある。ペルーのフェレイロス貿易・観光相は「域内の主要国で戦略的に重要な相手だ」と指摘する。
 中国の中南米事務特別代表の殷恒民大使は15日の記者会見で「現在は方向性が分かれているアジア太平洋地域は、より経済統合を進めるべきだ」と述べ、中国が入っていないTPPの枠組みをけん制した。
 今回のチリ会合で、米国が抜けた後もTPPに署名した11カ国が一定の結束を示せたことは成果といえる。ただ今後の行方は不透明なままで、結論を先送りした。米国との間で北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を控えるメキシコはとりわけ焦燥感が強い。グアハルド経済相は15日、記者団に「世界的な経済統合の流れのなかで長くは待てない」と語った。

筆者コメント
記事1のRECEP交渉官会合、記事2のTPP閣僚会合共に大きな進展は見られない。参加各国の思惑が大きく異なるからだ。
筆者は豪州、ニュージーランドが主張する「米抜き11ケ国でのTPP発効」に対する日本の慎重姿勢は妥当であり、前記事1600で述べた下記RCEPを主導する戦略を目指すべきで思う。
“日本は安倍首相リーダーシップの下、先ず、オーストラリア、シンガポールなど他TPPの参加国と組み、次いで米国とNAFTAとの交渉経過次第ではカナダ、メキシコのみならずTPP参加国のニュージーランド、チリ、ペルーなども応援団に引き込み高い水準のRCEPを早期につくることで米国にTPP離脱を翻意させるなどアジア太平洋地域全体の自由貿易を確立させる壮大なる戦略と意気込みでやって欲しいものである”

No.1610 米トランプ政権(43)

ハワイ州連邦地裁2.pngシカゴで大統領令反対.jpg
左は3月16日付け毎日新聞より、連邦地裁の仮処分につき記者会見するダグラス・チン同州司法長官(15日、ホノルル=AP)、右は3月18日付け夕刊より、米移民税関捜査局前で新大統領令に反対する人達(16日、シカゴ)=ロイター
昨年3月から8か月間、45回に亘リ「“特記:米国大統領選挙」シリーズを掲載してきたが11月8日大統領選挙でのトランプ氏勝利にかかる10日付け前記事1534を以て終了し昨年11月18日付け前記事1539より新たに「米国トランプ政権」シリーズ1~42を掲載している。
前記事1604では3月8日付け日経新聞より「米、混乱再燃の恐れ 入国制限で新大統領令 “イスラム圏拒否”は変わらず」と題する記事と専門家の見方を掲載し筆者のコメントを述べた。

日経新聞3月17日付け朝刊に「米、看板政策行き詰まり 新入国制限令も差し止め リベラル州、相次ぎ反旗」、18日付け夕刊に「トランプ政権が上訴 新入国制限令差し止め」と題する同紙ニューヨーク平野記者の2記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
記事1:米、看板政策行き詰まり 新入国制限令も差し止め リベラル州、相次ぎ反旗
ハワイ州のホノルル連邦地裁は15日、トランプ大統領がイスラム圏6カ国からの入国を制限するため6日署名した新たな大統領令を一時差し止める仮処分を命じた。トランプ氏は仮処分を不服として裁判で争う考えを示した。同じ目的で発令された1月の大統領令に続き、リベラルな州から反旗を翻され、トランプ政権の看板政策は行き詰まっている。
 ホノルル連邦地裁が一時差し止めを命じた大統領令は、16日から発効する予定だった。1月の政権発足直後に署名し、その後、全米で差し止められた前回の大統領令から入国制限の対象などを狭めたが、ハワイ州が8日、「憲法に違反している」として執行停止を求める訴えを起こしていた。
 ホノルル連邦地裁は15日、「安全保障は重要だが、人々には自由に旅行し、家族が一緒になり、差別から自由である権利がある」と、新大統領令の執行を全米で停止することが妥当と判断した。
 トランプ氏は15日夜、テネシー州での集会で「新しい大統領令は最初のものから効果を薄めた。多くの人は前例のない司法の行き過ぎだと考えている」と最高裁まで争う姿勢を示した。米司法省も「連邦地裁の決定に同意できない。大統領令は国家の安全を守るための正当な権威に問題なく属するもので、司法省は裁判の場で大統領令を正しいと主張していく」とのコメントを出した。
 一方、野党・民主党の全国委員会のトム・ペレス委員長はツイッターに「憲法の大勝利だ。米国は宗教に基づいて差別しない」と投稿した。
 前回の大統領令は西部ワシントン州が訴えを起こし、同州のシアトル連邦地裁が即時差し止めを求める仮処分を決めた。今回訴えたハワイ州、ワシントン州ともに、リベラルな州として知られる。民主党の党カラーから「ブルー・ステート(青い州)」と呼ばれ、昨年11月の大統領選では民主党候補のヒラリー・クリントン氏が圧勝した。
 実際は入国制限を巡る世論は割れており、トランプ氏を支持する声も多い。ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市では大統領令に対する抗議活動が盛んな一方で、入国制限について「賛成」との意見が「反対」を上回る世論調査もある。
 ただ、テロ対策を掲げて打ち出した大統領令が立て続けに司法の壁にぶつかり、政権運営の打撃となりそうだ。

記事2:トランプ政権が上訴 新入国制限令差し止め
イスラム圏6カ国からの入国を制限する新たな大統領令の一時差し止めの仮処分を東部メリーランド州の連邦地裁が命じたことを受け、米司法省は17日、リッチモンド連邦高裁に仮処分の取り消しを求めて上訴の手続きを取った。トランプ政権は大統領令がテロを防ぐためのもので、イスラム教に対する差別ではないと主張している。
米移民税関捜査局の前で「入国禁止に反対」などと書かれたプラカードを持ち、新大統領令に反対する人たち(16日、シカゴ)=ロイター
 メリーランド州の連邦地裁は16日に難民や移民の支援団体などが求めていた大統領令差し止めの仮処分を命じたばかり。リッチモンド高裁の審理開始時期は明らかになっていない。
 対象の大統領令はトランプ氏が6日に署名。1月に署名して差し止められたままの旧大統領令に比べ入国禁止の対象範囲は狭い。
 新大統領令は15日にもハワイ州のホノルル連邦地裁が一時差し止めの仮処分を命じた。この仮処分を上訴すると、旧大統領令の差し止めを認めたサンフランシスコ連邦高裁が再び担当することになる。地裁判断を支持した旧大統領令と同じ判断が下る可能性が高いため、トランプ政権はリッチモンド連邦高裁が管轄するメリーランド州のケースを上訴したとみられる。
 スパイサー報道官は16日の記者会見で「法的な戦略とタイミングを検討している」と述べていた。
 メリーランド州とハワイ州の連邦地裁は新大統領令が「イスラム教徒への差別にあたり、宗教の自由を保障した憲法に違反する」として執行停止を決定。両州は大統領選期間中のトランプ氏による「イスラム教徒を入国禁止にする」との発言を証拠のひとつとしている。

筆者コメント
筆者は前記事1502で下記コメントした。
“新大統領令発表はトランプ大統領も前回に懲りて表に出ず、その内容も一部変更のみでイスラム圏を対象とした骨格は変わっていないので、CNNをはじめとするメデイアも前ほど大騒ぎはしなかった。然しながら、上記記事や専門家の見方通り、問題は変わらず人権団体からは厳しい批判が相次ぎ再び司法闘争に発展しかねない。“

トランプ政権はひとまず時間のかかりそうな上訴を諦め新たな大統領令を出すことで入国管理の厳格化を目指したが、上記記事の通り結局上訴し再び司法の場で違憲性や違法性が問われる展開となった。問題は長期化し政権運営の打撃となることは避けられない。メデイアも当初ほど大騒ぎしなくなったので政権は移り気な国民から極力本件の目をそらすよう作戦を切り替えた方が賢い。
トランプ大統領も5月のG7やNATO、7月のG20などの国際舞台へのデビューを控えていることだし、(司法との内輪喧嘩で余計な時間を費やすより)外交で先行した国防、国務、財務3長官のように国際舞台で大人の対応をするよう準備したほうが良いのでは........

No.1609 資源と環境・エネルギー 資源価格変動(183)、米トランプ大統領・サウジ副皇太子会談

トランプ・サウジ副皇太子会談(14日、).jpg
3月16日付け日経新聞より、ホワイトハウスで会談したトランプ米大統領とサウジアラビアのムハンマド副皇太子(14日)=ロイター
2014年半ばより始まった急速な原油価格安に伴い、2015年10月17日付け記事1051より「新たなる資源争奪戦、原油価格下落とシェールブーム」シリーズ1~40を続けてきたが、昨年3月26日付け1372(162)より12月12日付け1557(181)まで「資源価格変動、原油価格下落とシェールブーム」と変えてシリーズ41~53を、9月30日付け1502(174)まで「資源価格変動、原油価格下落と商社の活動」新シリーズ1~4を継続している。
前記事1507では3月10日付け日経新聞より「米原油在庫、最高水準に シェール増産受け 減産主導のサウジは警戒」と題する記事、1508では3月14日付け日経新聞より「石油から産業重視へ 日・サウジ、特区新設で合意 首相、国王と会談」「サウジ、“石油立国”に危機感 アジア歴訪、好条件狙う」と題する2記事を掲載し筆者のコメントを述べた。

3月16日付け日経新聞に「トランプ氏、サウジ副皇太子と会談 関係修復図る イランの脅威を確認と題する同氏ワシントン川合記者の記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスでサウジアラビアのムハンマド副皇太子と会談した。イスラム圏指導者とホワイトハウスで会談するのは初めてで、オバマ前政権が進めたイラン核合意などを巡って悪化した両国関係の改善を図った。ロイター通信によると、両氏はイランが中東の安全保障の脅威だとの認識で一致。サウジ高官は会談が両国関係の「歴史的転換点」となったと指摘した。
 ムハンマド氏はサルマン国王の息子で、国防相などを兼ね防衛・外交に強い影響力を持つ。石油収入に依存しないサウジの経済改革構想「ビジョン2030」を掲げており、ホワイトハウスによると今回の会談でも同構想や対米投資の強化などについて説明した。
 サウジのサルマン国王は1千人以上の随行を伴い46年ぶりに日本を訪問したが、重要閣僚は直前になって訪日をキャンセルした。ムハンマド氏の訪米に備えたとの見方も出ている。
 ホワイトハウスでの会談は昼食会を兼ね、米側はペンス副大統領や、長女の夫で中東政策を担うクシュナー上級顧問らが同席。トランプ政権が両国関係を重視する姿勢をアピールした。トランプ氏は新たに署名したイスラム圏6カ国の入国禁止令でも、一部の米同時テロ実行犯らの出身国であるサウジは入国禁止の対象から外すなど配慮をみせた。
 サウジは昨年にイランと断交し、対立が先鋭化している。オバマ前大統領はサウジが米の中東政策に協力せず「ただ乗り」してきたと批判的だった。一方、トランプ氏はサウジが反対するイラン核合意に否定的な見解で、サウジとの関係修復に意欲を示す。
 トランプ氏は1月にサルマン国王と電話で協議した際、シリアに避難民が住む「安全地帯」を創設することを提案し、サルマン氏の支援を取りつけていた。テロとの戦いでサウジとの協力を重視する考えだ。
 今回のムハンマド氏との会談でも、シリアやイエメンの内戦終結に向けた協力や、サウジに対する米国製兵器の販売再開について協議したとみられる。安全保障面での協力を強化し、中東でイスラム教スンニ派諸国との連携を強める。

筆者コメント
ムハンマド副皇太子はサルマン国王の息子で、国防相などを兼ね防衛・外交に強い影響力を持つ。
そもそも同氏が石油収入に依存しないサウジの経済改革構想「ビジョン2030」の生みの親であり、筆者は「何故若い同氏がアジア歴訪大ミッションを率いず高齢のサルマン国王が出馬したのか?」疑問に思っていたが、手分けしてより難しい米トランプ大統領との会談は息子に任せたことが分かった。重要閣僚が訪日を直前にキャンセルし息子の訪米に随行したことはサウジがイラン問題(対立先鋭化)を抱えおることより(オバマ政権から)トランプ政権に変わった米国との関係修復をより重要視したものと思える。


No.1608 資源と環境・エネルギー 資源価格変動(183)、日・サウジ首脳会談

安倍首相とサルマン国王(13日、首相官邸).jpg日・サウジ協力案件.jpg
3月14日付け日経新聞より、会談を前にサウジアラビアのサルマン国王と握手する安倍首相(13日、首相官邸)
2014年半ばより始まった急速な原油価格安に伴い、2015年10月17日付け記事1051より「新たなる資源争奪戦、原油価格下落とシェールブーム」シリーズ1~40を続けてきたが、昨年3月26日付け1372(162)より12月12日付け1557(181)まで「資源価格変動、原油価格下落とシェールブーム」と変えてシリーズ41~53を、9月30日付け1502(174)まで「資源価格変動、原油価格下落と商社の活動」新シリーズ1~4を継続している。
前記事1507では3月10日付け日経新聞より「米原油在庫、最高水準に シェール増産受け 減産主導のサウジは警戒」と題する記事を掲載し筆者のコメントを述べた。
3月14日付け日経新聞に「石油から産業重視へ 日・サウジ、特区新設で合意 首相、国王と会談」「サウジ、“石油立国”に危機感 アジア歴訪、好条件狙う」と題する2記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
記事1:石油から産業重視へ 日・サウジ、特区新設で合意 首相、国王と会談(一部割愛)
 安倍首相は13日、サウジアラビア国王として46年ぶりに来日したサルマン国王と首相官邸で会談し、経済協力を軸にした「日・サウジ・ビジョン2030」に合意した。サウジ国内に規制緩和や税制優遇を進める経済特区を創設し、日本企業の進出を促す。
 製造業やエネルギー、インフラなど国内有数企業が参加する見通しで、サウジが目指す脱石油への経済改革を日本の官民で後押しする。両国関係を「戦略的パートナー」と位置づけ、外務次官級協議の再開など安全保障分野の連携強化策も打ち出した。
 首相は、サウジなど中東6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)との自由貿易協定(FTA)交渉再開や、日・サウジ原子力協定交渉の促進も求めた。
 今回のビジョンづくりには、日本側から経済産業省や国際協力機構(JICA)、サウジ側も商業投資省やサウジアラムコといった官民が参加。競争力ある産業や中小企業、エネルギー、農業、インフラなど9分野での協力を目指す。これらの中で特に重要性の高い31の個別プロジェクトを優先的に進める。
 サウジは財政収入の大半を石油関連事業に頼り、原油価格の下落で3年連続で赤字財政に陥っている。労働者の過半を外国人が占め、サウジ人の失業率は10%超で高止まりするなど構造的な問題も抱える。2015年に即位したサルマン国王のもと急ピッチでの経済構造改革を進めている。
 一方、日本にとってサウジは原油の国内消費の3割を占める重要相手国。同国は人口の半分近くを25歳未満が占め、人口減に悩む日本の目には消費市場としても有望に映る。日本はビジョンを通じサウジの経済改革の立ち上げ段階から関わり、同じく進出を目指す中国に先んじる狙いもある。
 14日には3メガバンクの投資促進など民間企業も約20の覚書を交わす。

記事2:サウジ、「石油立国」に危機感 アジア歴訪、好条件狙う(同紙リヤド岐部記者記)(一部割愛))
サウジアラビアは経済や安全保障、社会の激変に直面し「石油立国」への危機感を強めている。サルマン国王は今回、日本だけでなく中国などアジアを歴訪。アジア重視の姿勢を鮮明にし、「脱石油依存」の改革に向けて各国を競わせ、最大限の協力を引き出す構えだ。
 世界最大の原油輸出国のサウジが直面するのはまず、「石油立国」の限界だ。シェールガスなど新たな掘削技術が台頭する一方、自動車メーカーは車両の軽量化など省エネ技術を進歩させた。原油安は財政を直撃した。
 米国の中東での影響力の低下も、安保・外交を米国頼みとしてきたサウジにとって深刻だ。対米同盟が揺らぐなかでイランが台頭し、イエメンやシリアで「代理戦争」を戦っている。国内では、若者らが自由を大きく制限されている現状への疑問を膨らませている。
 「脱石油依存」の改革をめざすサウジは、日本や中国、韓国など原油の大口顧客が連なるアジアの技術や資金に期待している。各国を競わせ、改革への協力で有利な条件を取り付けたい考えだ。
 一方、日本の過去の対産油国外交は原油確保ばかりに目が行き、場当たりな対応を重ねた。1973年の石油危機では慌ててパレスチナ寄りの立場を打ち出し、イスラエルを支持する米国との関係が悪化。2000年にアラビア石油の権益延長交渉が失敗するとイランに接近し、サウジとの関係がぎくしゃくした。
 腫れ物にさわるような対応ではうまくいかず、民間の経済合理性を無視するような協力も持続可能ではない。日サ関係もまた「脱石油依存」を探る時期を迎えている。

筆者コメント
今回のサウジ国王の訪日は数週間をかけてのアジア諸国歴訪の一環で、日本はマレーシア、インドネシアの次の訪問である(この後に中国を訪問する)。81才の高齢の国王にとっては各地でゆっくり滞在する(特に、インドネシア、マレーシアのイスラム両国で)余裕を見た日程とは言え大変なことで、如何に「石油立国の限界への危機感」が強いかが分かる。アジア歴訪は安定した石油供給先の確保もさることながら「脱石油依存」の改革に向け各国(特に日本と中国)を競わせ最大限の協力を引き出す戦略と見える。
安倍首相との首脳会談では「日・サウジ・ビジョン2030」に合意、その内容はインドネシア、マレーシアでの巨大製油所建設のようなハードの目玉はなく、経済協力を軸にしたソフト面での長期に亘る協力となるが、前記事1507掲載のトランプ政権のエネルギー政策(シェールオイル優先)とは一線を画したサウジとの戦略的パートナーシップの強化は重要である。

No.1607 資源と環境・エネルギー 資源価格変動(182)、石油価格変動とシェールブーム(54)

米テキサス州シェール油井.jpgWTI原油価格と米原油在庫.jpg
3月10日付け日経新聞より米テキサス州イーグルフォードのシェール油井
2014年半ばより始まった急速な原油価格安に伴い、2015年10月17日付け記事1051より「新たなる資源争奪戦、原油価格下落とシェールブーム」シリーズ1~40を続けてきたが、昨年3月26日付け1372(162)より12月12日付け1557(181)まで「資源価格変動、原油価格下落とシェールブーム」と変えてシリーズ41~53を、9月30日付け1502(174)まで「資源価格変動、原油価格下落と商社の活動」新シリーズ1~4を継続している。
前記事1557では昨年12月12日付け日経新聞夕刊より「原油、15年ぶり協調減産 OPEC・非加盟国が合意」「NY原油が急伸、一時54ドル台半ば 1年5カ月ぶり高値」と題する2記事、13日付け朝刊より「シェール対抗 砂上の合意」と題する解説を掲載し筆者のコメントを述べた。

本年に入って初めての「資源と環境・エネルギー 資源価格変動、石油価格変動とシェールブーム」シリーズ記事を掲載する。
3月10日付け日経新聞に「米原油在庫、最高水準に シェール増産受け 減産主導のサウジは警戒」と題する同紙ヒューストン稲井記者の記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
米シェールオイルの増産で原油在庫が記録的な水準に積み上がっている。米シェール企業が生産を強化しているためだ。エクソンモービルなど石油メジャーも本格的にシェール事業に取り組み始め、当面、シェールの増勢が続く可能性が高い。石油輸出国機構(OPEC)の減産効果を薄めかねないとして、サウジアラビアは警戒感を強めている。
 米エネルギー情報局(EIA)によると3日時点の米原油生産量は日量908万8千バレル。2016年7月1日時点の842万バレルを底にした米原油生産の増加基調が続く。
 8日にEIAが発表した3日時点の米原油在庫(戦略備蓄除く)も9週連続増の約5億2840万バレルと、統計でさかのぼれる1982年8月以降での最高を更新した。旺盛な米原油生産の背景にあるのが米シェールの復調だ。
 「17年は米国の投資を加速する新しいステージに入る」。シェール大手デボン・エナジーのデーブ・ハーガー最高経営責任者(CEO)は17年の原油・天然ガスの探索・開発投資を16年の約2倍の最大23億ドル(約2600億円)にすると表明。17年末時点の米国内原油生産量を16年10~12月期比で最大15%増の日量約12万バレルに増やすという。
 主要米シェール10社の16年10~12月期の最終損益も69億ドルの赤字と、前年同期(約170億ドルの赤字)に比べ大幅に縮小。さらに16年11月末にOPECが減産合意して以来、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油価格が安定的にほぼ50ドル台で推移。シェールの損益分岐点は40~70ドルとされる中、優良な油井なら利益が出る企業も増え始め、投資・生産を再強化する環境が整いつつあった。
 シェール増産に拍車をかけるのが石油メジャーの動きだ。
 エクソンモービルは17年1月17日、テキサス、ニューメキシコ両州に広がるシェール最大鉱区のパーミアン地区で掘削用地を66億ドルで買収すると発表した。シェブロンも同地区で大規模なシェール掘削活動を展開。「パーミアンはカザフスタン、豪に並ぶ17年の重点地域」(シェブロンのジョン・ワトソンCEO)
 メジャーがシェールに傾斜するのは、大規模な油田開発に比べ少ない投資額で比較的早く利益回収できるからだ。
 「米シェールの成長の第2波が始まった」。6日、米ヒューストンでの世界のエネルギー関係者らの会合で国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、22年までに米シェールが日量140万バレル増加するとの予測を披露。同期間の世界の原油生産増加分の4分の1を占めるという。
 これに神経をとがらすのがOPEC盟主サウジアラビアだ。サウジはOPECによる約120万バレルの減産合意とロシアやメキシコなど非OPECの約60万バレルの減産合意を主導。1バレル40ドル台で推移していた原油価格の50ドル台への持ち直しを演出してきた。
 しかし、減産の足並みは完全にそろっているとは言い難く「減産最初の1~2カ月は予想に比べ在庫減のスピードは遅かった」(サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相)。シェール増産に拍車がかかれば、減産効果が薄れ、価格が再び下落基調に転じかねない。原油価格の動向はサウジの「脱石油依存」の構造改革の成否の鍵を握るサウアジラムコの上場価値に直結するだけに、サウジと米シェールの神経戦は続きそうだ。

筆者コメント
2014年半ばより大きく下落した原油価格は2015年以降1バレル40ドル台で推移し、昨年12月の15年ぶりのサウジ主導によるOPEC,非OPECの減産合意(下記前記事1557参照)で本年は50ドル台まで持ち直してきている。
前記事1557 http://fo-jac.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
トランプ政権の政策によりシェールオイルのさらなる増産傾向にあり、折角のOPRC,非OPEC減産合意の効果が薄れ価格が再び下落基調に転じかねない(本記事掲載前日のNY WTI価格は一時48ドルに下がった)。
サウジと米シェールの神経戦は続きそうだ。


No.1606 米トランプ政権(42)

ザッカーCNN社長.jpgトランプvsCNN.jpg
インタネットよりCNNザッカー社長と記者会見でトランプ大統領と激しく対立するCNN記者(2月16日、ワシントン)=ロイター
昨年3月から8か月間、45回に亘リ「“特記:米国大統領選挙」シリーズを掲載してきたが11月8日大統領選挙でのトランプ氏勝利にかかる10日付け前記事1534を以て終了し昨年11月18日付け前記事1539より新たに「米国トランプ政権」シリーズ1~41を掲載している。
前記事1604では3月8日付け日経新聞より「米、混乱再燃の恐れ 入国制限で新大統領令 “イスラム圏拒否”は変わらず」と題する記事と専門家の見方を掲載し筆者のコメントを述べた。

3月8日付け日経新聞「迫真」シリーズに「激震続くトランプ劇場(2)尊敬されたいんだ」と題する記事が掲載されたので下記し筆者のコメントを述べる。
 「偽ニュースは国民の敵だ」と罵倒し、複数社を大統領報道官の記者会見から排除した2月24日。米大統領ドナルド・トランプ(70)とメディアとの対立はピークに達した。
 「超偽ニュース」とまで呼び目の敵にするのが、トランプに厳しい報道を続けるCNN。両者にはただならぬ因縁がある。
 「ヤツがどうやって職を得たか聞いてみろ。いいな?」。同16日、就任後初の単独での記者会見。トランプはCNN記者に言い放った。「ヤツ」とは同社社長ジェフ・ザッカー(51)。「おまえは首だ!」が流行語になったNBC系番組でトランプ起用に動いたのが2004年に同社幹部だったザッカーだ。
 その後、トランプはザッカーをCNNの親会社タイムワーナーの首脳に紹介。移籍を口利きしてやったという思いがある。蜜月は続く。15年6月に大統領選出馬を決めたトランプをCNNは追いかけた。奔放な言動、メディア慣れした対応。トランプは「数字」を持っていた。
 共和党候補の指名を得た後、風向きが変わる。真面目な政治報道の対象として取り上げざるを得なくなると規格外の言動や過去はスキャンダルの山と化した。トランプ旋風の一端を担ったことを悔いたザッカーは一転、批判に力を注ぐようになる。
 一方、トランプのメディアへの執拗な攻撃の原点は幼少期だ。「マンハッタンには決して行くなよ。あそこは一流だ。俺たちは何も知らない」。マンハッタン対岸のクイーンズで育ったトランプは不動産業の父にこう言われ続けた。あこがれに畏怖が混じる「禁断の地」。トランプはそこでビルを買いあさるようになる。幼いころから募らせた自己顕示欲と承認欲求。匿名の情報提供者を演じ、メディアに自らの噂を流し続けた。
 だが不動産王になっても尊敬だけは得られない。金ぴかに仕上げたビルの群れはマンハッタンの社交界で嘲笑の対象となった。満たされぬ欲求はやがて国家最高権力の座に向かう。ついに得た大統領職。それなのに尊敬されない。愛してほしいのに攻められ続ける不満。メディア攻撃の本源はここにある。
 攻撃の影響を懸念したザッカーはCNNのブランド価値が傷ついていないか調査を業者に依頼した。答えはむしろ逆で数字も上々。政権追及に向け取材陣増強を図る。2人の対立はトランプがその座を降りるまでやみそうにない。
(敬称略)

筆者コメント
「迫真」シリーズは通常の同紙記事と異なり、大衆紙並みに故意に面白く書かれている。筆者は本「トランプ」政権」シリーズでは特に“トランプ大統領とメデイアの対決”につきフォーカスしているが、上記記事は脚色とはまでは言わないが、本当にトランプ大統領が「尊敬されたい」と思っているのか疑問に思う。
トランプ大統領の言動は選挙中から当選後も一貫して同氏の支持者のみを対象としており、テレビニュースなどの報道では非支持者からはよく「米国人として恥ずかしい」との言葉が出ており「愛する」とか「尊敬する」とは真逆である(むしろ”軽蔑“に近い)。当人もそんなことは百も承知でやっている筈であり、若し本気で「尊敬されたい」と思っているなら”馬鹿“としか思えない(最も、選挙中からその本性は常人とは思えなかったが.........




No.1605 米トランプ政権(41)

セッションズ司法長官.jpg新旧大統領令の変更点.jpg
社印はインターネットより米セッションズ司法長官
昨年3月から8か月間、45回に亘リ「“特記:米国大統領選挙」シリーズを掲載してきたが11月8日大統領選挙でのトランプ氏勝利にかかる10日付け前記事1534を以て終了し11月18日付け前記事1539より新たに「米国トランプ政権」シリーズ1~40を掲載している。
前記事1603(39)、1604(40)では日経新聞3月1日付け夕刊より「米、インフラ投資1兆ドル 議会演説で大統領「経済を再起動」 中間層へ巨額減税」、2日付け朝刊より「トランプ氏、攻撃色薄める 議会演説 政策は具体性欠く」に続き「メディア融和? “就任時と対照的”“落ち着いてまじめ” CNNなど批判抑制」「議会、分断深く 女性議員、白服で抗議」と題する2記事を掲載し筆者のコメントを述べた。

3月8日付け日経新聞に「米、混乱再燃の恐れ 入国制限で新大統領令 “イスラム圏拒否”は変わらず」と題する同紙ワシントン川合記者の記事と専門家の見方を下記し筆者のコメントを述べる。
記事:米、混乱再燃の恐れ 入国制限で新大統領令 “イスラム圏拒否”は変わらず(同紙ワシントン川合記者記)
トランプ米大統領は6日、中東・アフリカの一部の国からの入国を制限する新たな大統領令に署名した。裁判所が差し止めた前回の大統領令を修正し、対象国についてはイラクを除外して6カ国としたほか、査証(ビザ)保有者らへの適用もやめた。だがイスラム圏を標的とする骨格は同じだ。一部の州などは訴訟を検討しており、混乱が再燃する恐れがある。
 新大統領令は何度も発表が延期された。前回の大統領令が裁判所に差し止められたため、入国管理を担当する国土安全保障省などと調整を続けた。前回は大統領令署名の即日に実施する拙速ぶりが混乱に拍車をかけたが、今回は16日実施とし、10日間の猶予を設けた。
 発表方法にも慎重を期した。トランプ氏は6日の大統領令の署名時に記者団を執務室に入れなかった。発表はセッションズ司法長官ら閣僚3人が声明を読み上げた。
 新大統領令は(1)イラクを除外(2)ビザや米国永住権(グリーンカード)保有者、二重国籍者は対象外(3)少数派宗教の難民を優先的に受け入れる規定を削除(4)シリア難民の無期限受け入れ停止を中止――などの変更を加えた。イラクを外したのは、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いで協力関係にあるためだ。
 前回の大統領令を巡る訴訟で、裁判所は入国禁止対象国の市民が脅威となる証拠を示すよう政権に求めていた。新大統領令では過去に2人のイラク難民が有罪となった事例などを挙げたが、イスラム圏出身者を拒む基本的な構図は変わらない。
 信教の自由を認めた憲法に違反するとみなされ、再び司法闘争に発展しかねない。人権団体に加え、前回差し止めを求めたワシントン州の司法当局も訴訟の是非を近く判断するとの意向を示した。

専門家の見方:「特定国制限は逆効果」ダニエル・ベンジャミン米ダートマス大学国際理解センター所長 
入国制限は米国を安全にしない。国籍はテロの予測基準にならず、特定の国民の入国制限は効率的でなく逆効果だ。国土安全保障省の分析では、米国内でテロを実行・計画した者の半数以上が米国民。専門家の多くが最大の脅威はホームグロウン(自国育ち)の過激派との見方で一致している。
 最善の対抗策は米国内のイスラム教徒コミュニティーとの良好な関係だが、入国制限は政権が「反イスラム」との印象を与え、関係を損なう。我々はテロ関連情報の約4割をイスラム教徒コミュニティーから得ている。
 新大統領令がイラクを対象から除いたのは改善点だ。過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いの中心はイラク人だからだ。トランプ政権は反イスラム感情が強い層を支持基盤に持つ。人権団体などが宗教に基づく差別として新たな法的手段をとる可能性もある。

筆者コメント
新大統領令発表はトランプ大統領が(前回に懲りて)表に出ず、その内容も一部変更のみでイスラム圏を対象とした骨格は変わっていないので、CNNをはじめとするメデイアも前ほど大騒ぎはしなかった。
然しながら、(上記記事や専門家の見方通り)問題は変わらず、人権団体からは厳しい批判が相次ぎ再び司法闘争に発展しかねない。


No.1604 米トランプ政権(40)

トランプ大統領議会演説2.jpgトランプ大統領議会演説3.jpg
3月2日付け日経新聞朝刊より、28日、議会合同会議会場に入るトランプ大統領=ロイターと同氏の女性差別に抗議し白い服を着る女性議員=AP
昨年3月から8か月間、45回に亘リ「“特記:米国大統領選挙」シリーズを掲載してきたが11月8日大統領選挙でのトランプ氏勝利にかかる10日付け前記事1534を以て終了し11月18日付け前記事1539より新たに「米国トランプ政権」シリーズを開始した。

前記事1603で掲載した日経新聞3月1日付け夕刊に「米、インフラ投資1兆ドル 議会演説で大統領「経済を再起動」 中間層へ巨額減税」、2日付け朝刊に「トランプ氏、攻撃色薄める 議会演説 政策は具体性欠く」に続き「メディア融和? “就任時と対照的”“落ち着いてまじめ” CNNなど批判抑制」「議会、分断深く 女性議員、白服で抗議」と題する2記事を下記し筆者のコメントを述べる。
記事3:メディア融和? 「就任時と対照的」「落ち着いてまじめ」 CNNなど批判抑制(同紙ニューヨーク高橋記者記)
ニューヨーク・タイムズなど米主要メディアはトランプ大統領と深刻な対立に陥っているが、今回の議会演説については批判を抑え、一定の評価をする論調が目立った。ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「就任式の暗黒的な演説とは対照的に、米国のより楽観的な未来像について語った」としたうえで、原稿を読み上げたトランプ氏は「落ち着いてまじめだった」と評した。
 トランプ氏に「偽ニュース」と酷評されたCNNは「米国中心主義で驚きはなかった」と論評。「イラクやシリア、ロシアへの言及がなく、外交政策にはほとんど触れなかった」と指摘した。
 一方、電子版では「共通の国家目標を掲げ、就任式や共和党大会で見せた暗黒的な面を見せずにトーンを変化させた」との見方を示した。CNNによる演説直後の世論調査によると、8割近くが今回の演説を好意的に受け止めたという。
 ワシントン・ポスト(電子版)も「トーンを和らげた」と、トランプ氏の姿勢の変化を指摘した。「まじめな雰囲気だった」と評価した半面、税制改革や福祉政策の見直しなどについては「詳細を欠いた」と論じた。
 保守系のフォックスニュースは「減税やよりよい貿易協定、移民対策、1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資計画などを通じて、米国経済のエンジンを再始動すると高らかに議会に呼びかけた」と報じた。

記事4:議会、分断深く 女性議員、白服で抗議(同紙ワシントン川合記者記)
トランプ米大統領が演説に臨んだ議場では、野党・民主党の議員が抗議する場面が目立ち、深刻な分断が改めて浮き彫りになった。
 全身真っ白のスーツを着た数十人の女性議員が議場の一角を陣取った。トランプ氏の女性差別を批判する民主議員だ。白い服は20世紀初めに女性が参政権獲得を訴えたシンボルカラーだ。
 トランプ氏の演説中も、与党・共和党の議員が一斉に立ち上がり拍手するなか、民主議員は着席したまま。親指を下に向けて抗議の意を示す議員も多かった。演説が終わると、民主党議員がわれ先に議場を後にする姿が目立った。
 民主は移民の子供らを傍聴席に招待。一方の共和は不法移民に殺害された警察官の家族らを招いた。トランプ氏の今回の演説は61分。歴代大統領の就任後初の演説はオバマ氏が51分、ブッシュ(子)氏は49分、クリントン氏は60分だった。

筆者コメント
さしものトランプ大統領もインフラ投資、減税など財政がからみ予算が必要な目玉政策の実行には議会の承認が不可欠と理解したようで、演説は本性(本音)を隠しススピーチライター(ミラー大統領補佐官)と慎重に練り上げた原稿をプロンプターで丸読みするやり方に終始したため(上記記事の通り)全面対決していたマスコミも批判を控え、一定の評価をする論調が目立った。
筆者はTVでの同生中継を全部見たが、会場では演説の度に立ち上がって拍手する共和党議員(いかにもオーバーで見るのに邪魔になったが)とは対照的に民主党議員は座ったままで、一部は指で抗議のジェスチャーをする場面が目立ち深刻な分断が改めて浮き彫りになった。
最後にトランプ大統領が国のために両党議員はじめ国民の一致団結・融和を呼びかけたが、民主党議員や国民の非支持者たちは“何を今更”と白々しく受け止めたことであろう。
さて、これからはトランプ政権の政策を立案作業をする行政の高官や事務方が殆ど決まっていない(絶対的に不足している)のに加え、いざ議会に政策案を提出しても議会(特に民主党)がどこまで承認するか?実現までに何か月、いや何年かかるのか?まさに前途多難である。

No.1603 米トランプ政権(39)

3月1日付け日経新聞夕刊より米議会(上下両院合同本会議)で初の演説をするトランプ大統領
トランプ大統領議会演説(28日).jpg従来の主張と演説内容比較.jpg
昨年3月から8か月間、45回に亘リ「“特記:米国大統領選挙」シリーズを掲載してきたが11月8日大統領選挙でのトランプ氏勝利にかかる10日付け前記事1534を以て終了し11月18日付け前記事1539より新たに「米国トランプ政権」シリーズを開始した。
前記事1602では2月25日付け日経新聞夕刊より「米政権、CNNなど締め出し トランプ氏“国民の”敵」「CNNなど締め出し 米メディア反発 NYタイムズ“前代未聞”」と題する2記事を掲載し筆者のコメントを述べた。

トランプ大統領は2月28日日夜(日本時間3月1日午前)米議会上下両院合同本会議で初めての施政方針演説に臨んだ。
日経新聞3月1日付け夕刊に「米、インフラ投資1兆ドル 議会演説で大統領「経済を再起動」 中間層へ巨額減税」、2日付け朝刊に「トランプ氏、攻撃色薄める 議会演説 政策は具体性欠く」「メディア融和? “就任時と対照的“”落ち着いてまじめ“ CNNなど批判抑制」「議会、分断深く 女性議員、白服で抗議」と題する4記事が掲載されたので本号と次号に掲載し次号で筆者のコメントを述べる。
記事1:米、インフラ投資1兆ドル 議会演説で大統領「経済を再起動」 中間層へ巨額減税(同紙ワシントン平野記者記)(冒頭箇所のみ)
トランプ米大統領は28日夜(日本時間3月1日午前)、米議会上下両院合同本会議で初めての施政方針演説に臨んだ。トランプ氏は「法人税率を下げる歴史的な税制改革を進めている」と表明。1兆ドル(約113兆円)規模のインフラ投資法案への協力を議会にあおぎ「米経済のエンジンを再起動する」と強調した。医療保険制度や移民制度改革にも取り組む方針を示した。

記事2:トランプ氏、攻撃色薄める 議会演説 政策は具体性欠く(同紙ワシントン河浪記者記)
トランプ米大統領は2月28日の初の施政方針演説で「米経済の再起動」を訴え、30年ぶりの税制改革と1兆ドル(約113兆円)のインフラ投資を表明した。減税規模など具体策は先送りする一方で「楽観主義は不可能を可能にする」と力説。原稿をほぼ読み上げて攻撃的な口調を抑えたことで、米国内で評価する声も上がる。政策実現へ議会との調整力が問われる 「我々は一つの運命を共有する一つの国民だ」。トランプ氏は上下両院合同本会議での演説で強調した。税財政の決定権は議会にあるため、一方的に相手を非難するいつもの姿勢は封じ、政策実現へ融和を呼びかけた。
 「米国精神の復活」を掲げ、過激派組織「イスラム国」(IS)の撲滅を主張し「最大の国防費増額」を求めた。北大西洋条約機構(NATO)を重視すると強調しつつ、同盟国に「公平な費用負担」も要求。だが世界が注視する外交政策には踏み込まず、「私の仕事は世界を代表することではない。米国を代表することだ」と、内向きな姿勢を改めて印象付けた。
 軍事・経済の両面で「米国を再び偉大に」と訴え、「歴史的な税制改革を進める」と表明した。米国は連邦法人税率が35%と高止まりしている。レーガン政権時の1986年以来、約30年ぶりの税制改革で企業の競争力を高めると主張した。
 「新たな国家再建計画を始める時が来た」として、1兆ドルのインフラ投資に向けた立法措置の承認も議会に求めた。自身の公約に改めて言及し、市場の期待をつなぎ留める狙いだ。トランプ氏はかねて2%程度で伸び悩む経済成長率を4%に高めると主張しており、財政拡張に活路を求める。
 具体策はこれからだ。トランプ氏は連邦法人税率を15%へ引き下げると公約してきたが、今回は税率など詳細に触れなかった。下院共和党は20%に下げる独自案を公表済み。同案には輸出課税を免除して輸入品にそのまま20%を課税する「法人税の国境調整」が含まれる。政権側は「興味深いが、問題も多い」(ムニューシン財務長官)とし、議会の調整は途上だ。
 トランプ氏の公約をそのまま実行すれば10年で4兆~5兆ドルの財政赤字が生じるとの試算がある。演説ではメキシコ国境の壁の建設を「すぐに始める」としたが、その費用も200億ドル規模という。政権は3月中旬に予算教書の前段階となる財政の基本方針を出す予定だが、健全財政を重視する議会の抵抗は必至だ。
 「米国第一」の保護主義的な姿勢も変わらず、「企業の海外移転を難しくする」「労働者保護のため移民制度の改革が必要」と語った。トランプ氏が低姿勢を保てるかどうかは予断を許さない。

次号記事に続く。

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