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No.145 資源争奪戦と日本 オールジャパン 水資源ビジネス(2)

世界の水ビジネス.jpg
11月24日付け日経新聞記事より
東レ膜技術水処理システム.gif
東レHPより

11月9日のBSフジPRIME NEWSで「石油より希少な資源 水ビジネスへの挑戦」と題し放映、11月24日付け日経新聞特集記事「グリーンインダストリー 第6部 水ビジネスの波頭(上)」でも掲載されたので、同内容を取りまとめ掲載する。発言者各氏の詳細については前記事145水資源ビジネス(1)を参照願いたい。

4.日本の技術力
司会:世界主要都市の水道の漏水率(%)はロスアンジェルス9、モスクワ10、カイロ20、ロンドン26.5、バンコク33、メキシコ35に比し、東京3.6とダントツで、日本都市の平均でも7%である。
東京は接続650カ所にステンレス管を使用しているのに対し、他都市は鋳鉄管の使用が多い。
安倍氏:逆浸透膜(イオンや塩などの水以外の不純物を透過しない性質を持つ膜で、海水の淡水化や汚水の浄水などに利用)の日本製品のシェアは平均5割以上(RO逆浸透膜6~7割、精密ロカ膜4~5割)で、工業分野における水の回収シェアは9割である。
吉村氏:日本は縦割り行政で、水道は経産省、下水道は国交省、工業用水は経産省、農業用水は農水省、規制は環境省といった如く13の省がバラバラにやっており、各省の関連法律も30近くある。国家戦略の下、水基本法を策定するなどしてオールジャパン体制で取り組む要あり。
松下副大臣:前述の通り、水ビジネス国際展開研究会で各省庁が横断的姿勢で取り組むことになった、鳩山首相の2020年温暖化削減25%の掛け声の下、国家戦略室も統一に向け動いている。

上記日経新聞特集記事「水ビジネス波頭(上)」では下記掲載あり。
・日本勢は水処理の要素技術では存在感を示す。日東電工・東レなど日本勢が世界シェアの6割を押さえる海水淡水化用のRO膜(逆浸透膜)、海水淡水化用ポンプの西島製作所、純水製造装置の栗田工業など世界シェア上位を占める水銘柄は少なくない。だが、日本が得意な装置販売は強大な水ビジネスの一部に過ぎず和製メジャーへの道のりは遠い。

5.世界のビジネス
安倍氏:世界の取水量(河川や地下水など自然から取れる水の量)は2000年の3,973kmが2025年には5,235立方kmへと3割増える。

吉村氏:世界の水紛争や対立は国際河川で270件(欧州270、アフリカ60件など)あり、中近東でのチグリス・ユーフラテス河や中国のメコン川やチベット高原(永久凍土)をめぐる対立も目立つ。ライバルの語源はRIVERである。日本でも外資系が富士山麓や阿蘇山麓の水源、中国は鹿児島県などで森林や水田を買い占めている)。
日本はODA資金などで世界の水衛生の40%を負担し、アジア開銀にも50%以上出資、世界で一番貢献している。中国向けODA技術協力では黄河・揚子江・長江の汚染浄化や上下水道約40カ所で行っている。
浜田氏:中国の環境汚染は日本にも浸透・影響する。日本の新しいキーワードは環境技術・外交でとすべき。

上記日経新聞特集記事「水ビジネス波頭(上)」では下記掲載あり。
世界の水ビジネス市場は2025年に2005年比で8割増の約110兆円に達するとされる。
・米国GEは環境分野を成長産業の核に位置づけ、水ビジネスをその柱とし、2006年までにカナダのゼノンなど有力水処理企業を相次いで買収し、わずか数年で水ビジネスの要素技術を一通りそろえた。高機能排水浄化膜ノシェアは世界第一位だ。GEが水ビジネスの最重要市場とみるのは中国で、2008年以降東完や唐山などの工業都市に膜ろ過タイプの排水処理プラントを納入、昨年中国第3の淡水湖である太湖(無錫・蘇州などの大都市の水源)で世界最大規模・最新技術によるプラントの建設を開始した。
・コンピューター業界の巨人IBMはIT技術即ち、電力消費と送電量との需給調整を行うスマートグリッド(次世代送電網)の概念を水ビジネスに応用、地中海の島国マルタで水資源を管理する(全水道メーターを遠隔監視・制御が可能な機種に置き換え。水使用料をリアルタイムで把握、給水量を最適な水準に調節する)新たな取り組みを始めた。

次号記事146に続く。

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